介護分野の賃上げ補助金(賃上げ・職場環境改善支援事業)|対象・申請先・居宅の注意点

介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(補助金)の案内画像

厚生労働省(老健局 老人保健課)より、「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(補助金)」に関する広報資材(リーフレット2種)と、計画書の記入方法動画が公表されました(介護保険最新情報 Vol.1467/令和8年2月4日)。本記事では、事業者が押さえるべき要点と、実務で差し戻しを防ぐチェックポイントを整理します。

この記事の主な対象:介護保険サービス事業者(処遇改善加算の対象サービス)/対象拡大サービス(訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援・介護予防支援)を運営する事業者

※居宅介護支援のサービス案内や相談窓口は 居宅介護支援のご案内 もあわせてご参照ください。

【埼玉県】申請受付が始まっています(受付期間・基準月・県様式)

申請先は都道府県のため、各都道府県で受付開始・受付期間・申請方法(電子申請の有無)・様式が異なる場合があります。埼玉県では申請ページが公開され、申請受付期間・申請フォーム・様式(県様式)が案内されています。

申請受付(埼玉県) 期間 対象(基準月) 備考
第1回 令和8年2月9日(月)〜2月20日(金) 基準月:令和7年12月のみ 支払いは令和8年4月以降となる見込み
第2回 令和8年4月1日(水)〜4月17日(金) 基準月:令和7年12月 または 令和8年1〜3月の任意月 第1回で申請した事業所は除外(重複不可)
  • 申請方法(埼玉県)申請フォーム(電子申請)で申請。
  • 重要(埼玉県の様式):計画書は埼玉県の様式が案内されており、「国の様式と異なるため必ず県様式で申請」と明記されています。
  • 実績報告(埼玉県):実績報告の提出期限は令和8年9月末頃を予定と案内されています(最新情報は県ページをご確認ください)。

ポイント:埼玉県に限らず、都道府県ページで「受付期間」「提出方法」「様式(県独自の差替え有無)」を最初に確認すると、差し戻し・期限超過を防ぎやすくなります。

1. 今回公表されたもの(リーフレット2種+動画)

  • リーフレット(処遇改善加算の対象サービス向け):介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業について
  • リーフレット(対象拡大サービス向け):訪問看護/訪問リハ/居宅介護支援/介護予防支援 など向け
  • 動画:令和7年度「賃上げ・職場環境改善支援事業」計画書の記入方法(YouTube)

一次情報は、厚労省PDF(介護保険最新情報 Vol.1467)にまとまっています:https://www.mhlw.go.jp/content/001651943.pdf

2. 事業の概要(補助の目安・対象の考え方)

本事業は、介護分野の職員の賃上げ職場環境改善を後押しする目的で、一定の要件のもと補助が行われます。リーフレットでは、常勤換算の職員1人あたりの目安として次が示されています。

  • 介護職員:最大 月額 1.9万円相当(6か月分)
  • 介護職員以外:月額 1.0万円相当(6か月分)

※上記は「常勤換算の職員一人当たりの金額」の目安です。平均的な職員配置を元に設定した交付率を総報酬に乗じて算定されます。実際の算定・提出書類は、都道府県の案内と様式をご確認ください。

3. 申請で間違えやすいポイント(差し戻し予防)

  • 申請先は「都道府県」:指定権者が市区町村であっても、申請先は都道府県と明記されています。
  • 様式は「都道府県の指定様式」:国の様式と異なる県があります(埼玉県は「必ず県様式」と明記)。
  • 申請時点で要件が揃っていなくてもOK:ただし、後日「賃金改善」「生産性向上等の取組」「実績報告」が必要です。
  • R7年度内に支給を受ける場合の留意:リーフレットでは、R8.3までに賃金改善等を行う必要がある旨が注意書きで示されています。
  • 補助金の入金前に賃金改善を行うことも検討:申請様式に記載した見込額に基づき、補助金支給前の賃金改善も検討するよう記載があります。

「県様式で出していない」「サービス種別の記入漏れ」などは差し戻しにつながりやすいので、提出前にチェックしておくのがおすすめです。関連記事は お役立ち記事一覧 にもまとめています。

4. 手続きの流れ(リーフレットの4ステップ)

  1. 所在地の都道府県へ申請(届け出)(申請様式・期限は都道府県HP等で確認)
  2. 補助金額に相当する賃金改善を実施
  3. 生産性向上等に係る取組を実施(下記いずれか)
  4. 都道府県の期限までに実績報告

5. 「生産性向上等に係る取組」— 何をやればよい?

リーフレットでは、サービス類型に応じて、次の取組例が示されています(いずれか1つ)。

  • 訪問・通所サービス等ケアプランデータ連携システムへの加入
  • 施設サービス等生産性向上推進体制加算の取得

※処遇改善加算を未取得の場合は、上記取組に加え、処遇改善加算の取得も必要とする旨がリーフレットに記載されています。対象要件・算定要件は必ず都道府県の案内で再確認してください。

6. 【居宅・訪問看護等】対象拡大サービス向けの留意点(ケアマネ事業所の実務)

対象拡大サービス(訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援、介護予防支援)向けリーフレットでは、介護職員以外の職員にも月額1.0万円相当を6か月分補助する旨が示されています。加えて、処遇改善加算Ⅳに準ずる要件(任用要件・賃金体系の整備、研修等の実施、職場環境等要件 など)に触れられています。

居宅介護支援は「処遇改善加算」との関係が分かりにくい領域でもあるため、都道府県が示す運用・様式を前提に、提出書類・要件の扱いを必ず確認しましょう。
あわせて、処遇改善の全体像や誤解されやすいポイントは、こちらも参考になります:令和8年6月の処遇改善(居宅に関わるポイント)「一律1万円・最大1.9万円」混同を防ぐ解説

7. 計画書の記入方法(動画)

計画書の記入方法は、厚労省が案内しているYouTube動画が参考になります。

計画書の記入方法(YouTube)

8. 相談窓口(不明点がある場合)

  • 国(制度全般・処遇改善関連):050-3733-0222(9:00~18:00/土日・祝日含む)
  • 埼玉県(申請方法・申請状況の確認など):令和7年度介護職員処遇改善補助事業補助金事務局(電話:050-8896-0063/受付:平日9:00~17:30)

9. 実務チェックリスト(提出前に確認)

  1. 対象サービス区分(処遇改善加算対象サービス/対象拡大サービス)を整理する
  2. 都道府県のページで「受付期間・提出方法・様式・添付書類」を確認する(県様式がある県は要注意)
  3. 計画書のサービス種別の記入漏れを防ぐ(同一事業所で複数サービスがある場合はそれぞれ記入)
  4. 賃金改善の設計(誰に・いつから・どの手当で・配分根拠)を文書化する
  5. 生産性向上等の取組(加入/加算取得/要件整備)を選定し、証跡(加入記録・届出・議事録等)を残す
  6. スケジュール(R7年度内支給を狙う場合はR8.3までの賃金改善等)を逆算して段取りする
  7. 実績報告に向け、賃金台帳・規程・研修記録・取組証跡を整理しておく

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 居宅介護支援(ケアマネ事業所)は対象ですか?
A. はい。リーフレットでは対象拡大サービスとして「居宅介護支援」「介護予防支援」が明記されています。提出様式や運用は都道府県案内に従ってください。

Q2. 申請先は市町村ですか?国保連ですか?
A. 申請先は都道府県です(指定権者が市区町村でも、申請先は都道府県と明記)。

Q3. 国の様式(厚労省の様式)で申請しても良いですか?
A. 都道府県によっては県様式が指定されています。埼玉県は「国の様式と異なるため必ず県様式で申請」と明記されています。

Q4. 申請時点で要件が揃っていなくても申請できますか?
A. リーフレットでは申請時点で要件が揃っていなくてもOKとされています。ただし、補助金に見合う賃金改善、生産性向上等の取組、実績報告が必要です。

Q5. 賃金改善はいつまでに行う必要がありますか?
A. リーフレットでは、特にR7年度内に支給を受ける場合はR8.3までに賃金改善等が必要と注意書きがあります。都道府県の実績報告期限とあわせて、必ずスケジュールを確認してください。


参考(一次情報)介護保険最新情報 Vol.1467(リーフレット・動画案内)PDF

埼玉県(申請ページ)令和7年度介護職員処遇改善補助事業補助金(介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業)

内部リンク居宅介護支援のご案内お役立ち記事一覧令和8年6月の処遇改善(居宅向け)