【2026年6月施行】居宅介護支援(ケアマネ)の処遇改善加算が新設へ|2.1%の意味と計算例

居宅介護支援の処遇改善加算(2.1%)のポイント
2026/1/16(第253回 介護給付費分科会)資料ベース
2026年6月施行(期中改定の整理)

本記事は、厚生労働省が公開した 2026年1月16日(金)第253回 社会保障審議会 介護給付費分科会 の資料をもとに、
これまでの記事から 更新された部分(特に「居宅介護支援の2.1%」) を中心に整理したものです。
なお、ここでの内容は 分科会に示された「案」 を前提としており、最終的な運用は今後の通知・Q&A等で具体化される可能性があります。

今回の更新ポイント(結論)

1) 居宅介護支援にも「介護職員等処遇改善加算」が新設(案)

分科会資料(別紙2)では、「居宅介護支援・介護予防支援」
介護職員等処遇改善加算 を新設する整理が示されています。
これまで「ケアマネは処遇改善の対象外」と説明されやすかった論点が、制度側で整理されてきた点が大きな更新です。

※「新設・拡大」は確定運用前提ではなく、資料上の整理(案)として理解してください。

2) 加算率は「2.1%(=1000分の21)」が示されています(案)

居宅介護支援・介護予防支援の加算率として、資料には
「介護職員等処遇改善加算(1月につき 所定単位×21/1000)」
という形で示されています(=2.1%)。

(資料の表記) 介護職員等処遇改善加算:1月につき +所定単位数 × 21 / 1000

この「2.1%」は、単純に“売上の2.1%”というよりも、「(処遇改善加算を除いた)所定単位数」に対して掛ける、という整理です。
そのため、厳密には 単位で計算 → 地域単価で円換算 という流れになります。

居宅介護支援の「2.1%」は何に対して?

結論から言うと、居宅介護支援の「(処遇改善加算を除く)所定単位」 に対して 2.1% です。
現場で説明する場合は、次の3点に分けると誤解が減ります。

  • 対象:居宅介護支援(請求の対象となるサービス)
  • 掛け算の基礎:処遇改善加算そのものを除いた「所定単位(加減算後)」
  • 加算率:2.1%(=21/1000)
居宅(加算率・案)
2.1%

基本の計算
所定単位×率

注意
一律支給ではない

計算式と具体例(単位→円換算/請求額での簡易チェック)

基本式(単位ベース:原則)

①(処遇改善加算を除く)居宅介護支援の所定単位数を集計
② ① × 2.1%(=21/1000)= 処遇改善加算(単位)
③ ② × 地域単価 = 処遇改善加算(円)

【計算例①】居宅介護支援費Ⅰ(要介護3)+特定事業所加算Ⅱ/6級地/ケアマネ4人×各35件(=140件)

※単位数は「現行の算定構造(参考資料)」でよく使われる前提を置いた “試算例” です。実際は届出・加算状況・逓減制等で変動します。

前提(例)
・居宅介護支援費Ⅰ(要介護3):1,411単位/月
・特定事業所加算Ⅱ:421単位/月
・所定単位(1件あたり):1,411 + 421 = 1,832単位/月

件数
・35件/人 × 4人 = 140件

① 所定単位(合計)
・1,832単位 × 140件 = 256,480単位

② 処遇改善加算(単位)
・256,480 × 21/1000 = 5,386.08単位

③ 円換算(6級地の例:10.42円)
・5,386.08 × 10.42 = 56,122.95円 → 約56,123円/月

この金額は「その月に追加で入ってくる原資(概算)」であり、誰か1人に固定で払う/全員に一律で配る、という意味ではありません。
実際の配分は、賃金改善のルール(計画・説明・記録・実績報告)に沿って行います。

【計算例②】今月の保険請求が 2,672,460円 の場合(簡易チェック)

ご認識どおり、簡易チェックとしては「請求額(円)×2.1%」で原資感を掴めます。
2,672,460円 × 2.1% = 56,121.66円(端数処理前) → 約56,122円

※厳密には単位計算→地域単価換算で算定しますが、月次のイメージ合わせとしては近い値になりやすいです。

算定の要件(居宅はどう準備する?)

資料上の整理では、処遇改善加算の対象を「介護職員」だけでなく「介護従事者」に拡大し、
これまで対象外だったサービスにも新設する方針が示されています。
そのうえで、新たに対象となるサービスは“準ずる要件”や“令和8年度の特例要件”で算定可能と整理されています。

準ずる要件(まず押さえる)

  • キャリアパス要件(Ⅰ・Ⅱ)
  • 職場環境等要件

居宅は「介護職員がいないから無関係」と誤解されがちですが、ここは“事業所運営”として整備できる領域です(研修・評価・環境改善・説明と記録の設計)。

令和8年度の特例要件(経過措置の考え方)

  • 申請時点では「誓約」で算定可能とする配慮(例示)
  • ICT活用・業務効率化の取り組みを後押しする整理(例示)

ここは「事務負担に配慮した経過的な整理」として示されています。居宅でも、ICTや業務の見える化は“働きやすさ”と“採用”に直結するため、準備して損がありません。

職員説明で誤解を防ぐ言い方(テンプレ)

おすすめの説明(短く)

「2.1%は“売上の2.1%をそのまま配る”ではなく、居宅介護支援の請求(所定単位)に応じて入る“賃金改善の原資”です。
事業所として計画・配分・説明・記録のルールに沿って、給与や手当・職場環境の改善に反映します。」

「全員一律で毎月○円」などの断定は避け、
“原資(加算)→配分(ルール)→反映(給与/手当/環境)”の順で説明するとブレません。

よくある質問(見やすく)

Q1. 2.1%は「何に対して」掛けるのですか?

A. 原則は、居宅介護支援の (処遇改善加算を除く)所定単位 に対して 2.1%(=21/1000)です。
月次のイメージを掴むために「請求額×2.1%」で簡易チェックする方法もあります。

Q2. 「2.1%分」入ったら、給与は必ず同額上げないといけませんか?

A. 原資は賃金改善に充てる前提の仕組みですが、誰にいくらを一律で支給する制度ではありません。計画・配分・説明・記録・実績管理の枠組みで運用します。

Q3. 「毎月1万円上がる」みたいな話と、2.1%は同じ意味ですか?

A. 同じ意味ではありません。2.1%は居宅介護支援に新設(案)として示された「加算率」です。実際の賃上げ水準は、事業所の請求規模や配分設計で変わります。

Q4. 2026年6月からすぐ算定できますか?

A. 施行時期は「2026年6月(令和8年6月)」の整理が示されています。実務(届出・様式・解釈)は今後の通知やQ&Aで具体化される可能性があるため、早めの準備が安全です。

Q5. 事業所として、今やるべき準備は?

A. まずは「準ずる要件」(キャリアパス要件・職場環境等要件)を、運用できる形で整備することです。合わせて、業務効率化(ICT等)の取り組みは採用面でも強い訴求になります。

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