ケアプラン有料化とは?無料のままの部分・有料化が議論されている部分を審議会資料から解説

ケアプラン有料化は決まった?現状と議論のポイントを整理
「ケアプランが有料化されるらしい」という話題について、何が“決定”で何が“議論・検討”なのかを切り分けて、
現行の扱い(原則)と論点として挙がっている領域を、できるだけ分かりやすく整理します。
先に結論 重要
現時点(2025年12月)では、ケアマネジメント(ケアプラン作成等)の「有料化」が法律として確定したわけではありません。
一方で、審議会の公開資料では、介護保険制度の見直しに関する意見(案)や論点整理が示され、制度の持続可能性等の観点から議論が進められています。
※本記事は一般向けの解説です。最終的な制度内容は、今後の法改正・通知等の公式公表で確定します。
図解①|「ケアプラン有料化」全体像(現行→議論→将来の可能性)
居宅介護支援のケアプラン作成等
利用者負担は生じない扱い(原則)。
給付と負担の在り方・制度整理
論点ごとの議論状況が整理され、検討が進む。
対象・整理の仕方が見直される可能性
対象範囲・負担の設計は今後の制度設計で確定。
ケアプラン有料化とは何か
一般に「ケアプラン有料化」と呼ばれているのは、これまで利用者負担が生じない扱い(原則)だったケアマネジメント(ケアプラン作成、相談、連絡調整、給付管理など)について、介護保険制度全体の見直しの中で位置付けや整理の仕方が論点として取り上げられている状況を指します。
なぜ今、議論になっているのか
介護保険制度は、高齢化に伴う給付費の増加、人材確保など複合的な課題を抱えています。
そのため、制度全体として「給付と負担のバランス」や効率化(ICT活用等)を含む論点が並ぶ中で、
ケアマネジメントの位置付けも論点の一つとして整理されています。
「無料の部分/有料の可能性がある部分」を表で整理
下表は決定事項ではありません。
現行(原則)と、審議会資料を踏まえて論点になり得る領域を、一般向けに分かりやすく整理したものです。
| 区分 | 現状の扱い(原則) | 議論されている可能性(未確定) |
|---|---|---|
| 自宅等での居宅介護支援(一般的なケアプラン) | 無料(原則) | 無料維持の方向性が強いとされる一方、制度全体の整理の中で位置付けが議論される可能性(結論は未確定) |
| 住宅型有料老人ホーム等の入居者 | 一律に結論が出ているものではない | 提供実態や制度設計の整合性から、類型化・整理の在り方が論点になり得る(=「有料化決定」ではない) |
| 事務的業務(給付管理、請求関連、実務コスト等) | ケアマネジメントの一部として運用 | ICT化・効率化と併せ、役割分担や運用の整理が論点になり得る(負担の有無は未確定) |
どの部分が“有料化の話題”になりやすいのか
注意点として、現時点で「ここが有料になる」と断定できる段階ではありません。
ただし、制度全体の見直し議論の中で、提供実態や制度設計の整理(類型の考え方、事務負担の扱い等)が論点に含まれるため、
「有料化」という言葉で語られやすくなっています。
図解②|現行の扱い(原則) vs 論点として語られやすい領域(未確定)
✔ 現行の扱い(原則)
- 居宅介護支援のケアプラン作成・見直し(原則、利用者負担なし)
- 相談対応・サービス調整(連絡調整、担当者会議 等)
- モニタリング(状況確認・計画の見直し)
▲ 論点として語られやすい領域(未確定)
- 居住形態等に応じた整理(制度上の位置付け・類型の考え方 など)
- 事務的業務(給付管理等)の効率化・運用の見直し
- 制度全体の「給付と負担」の議論の中での整理
※右側は「論点になりやすい領域」を整理したものです。対象範囲や負担の有無は、今後の制度設計で確定します。
事務負担(給付管理など)は有料になるのか
ケアマネ業務には、相談支援だけでなく、給付管理や請求などの事務も含まれます。
ICT化(データ連携)で効率化が期待される一方、運用・役割分担の整理は議論テーマになり得ます。
ただし、現時点で「有料になる」と結論づけられる状況ではありません。
いつから変わるのか(現時点の言い方)
現在は、審議会資料が公表され、論点整理や意見(案)が示されている段階です。
したがって、現時点では「いつから必ず有料になる」とは断定できません。
今後、法改正・通知等の公式公表を確認するのが確実です。
図解③|審議会での議論~制度改正までの一般的な流れ
介護保険部会
制度の論点を整理・検討する。
意見(案)・論点整理等
公開資料をもとに議論が進む。
制度設計の具体化
対象・要件・運用などを詰めていく。
法改正・施行
公式公表を経て確定・施行。
※「いつから」「誰が」「いくら負担」などは、最終的に法改正・通知等で確定します。
利用者・家族が今知っておくべきポイント(Q&A)
Q1. いま、ケアプラン作成は有料ですか?
A. 現行制度では、一般的な居宅介護支援のケアプラン作成は利用者負担が生じない扱いです(原則)。
Q2. なぜ「有料化」と言われるのですか?
A. 介護保険制度の見直し議論の中で、給付と負担の在り方や制度上の整理が論点として取り上げられているためです(ただし結論は未確定)。
Q3. 今後の情報はどこを見ればいいですか?
A. 厚生労働省の審議会資料ページや「介護保険最新情報」など、公式情報の更新を確認するのが確実です。
居宅介護支援事業所として(まとめ)
ケアプランは、介護保険サービスの入口であり、利用者の生活を支える中核です。
「費用がかかるのでは?」と不安なときは、まずは現状の制度と手続きの流れを整理し、必要な支援につなげることが第一歩になります。
介護保険の手続きやケアプランの相談は、早めが安心です
介護保険の申請からケアプラン作成、サービス調整まで、状況に合わせて整理することができます。ご不安がある場合は、まず情報収集から始めてみてください。


